2015年 11月 17日
立冬 2015 その②:牛か山羊か?
パンデイロといえば山羊。
ジェンベも基本山羊。
定番です。
そこんとこアタバキはどうなの?
いろいろ叩き比べ、
いろいろ作り比べ、
いろいろ聴き比べ、
結局のところ、
山羊には山羊の
牛には牛の
時には猪・鹿も、
それぞれに
個性が有って
人それぞれの好み、状況、叩き手の腕、etc…
様々な要素が複合し、
甲乙はつけ難い。
そしてそんななんでも有り的な緩さが
アタバキのアタバキたる所以…
と、
ここのところ落ち着いております。
…なんでも有りみたいです。
最近の好みは山羊。
華やかで軽やかに弾ける感じが特徴の山羊ですが、
重厚で渋い魅力も隠し持っていることを、とある出会いから発見。
気を付けないとジェンベ風になってしまう
一筋縄では行かない難しさもまた魅力です。
・打面径:約24cm
・高さ:約60cm
・山羊皮
・杉古材
この土地で育ち、この土地で挽かれ、
この土地で永年経て来た蔵出し古材。
完全に落ち着き払い堂々の風格です。
(外野が騒がしいですが…)こんな感じ。
緩めの張りです。
『失われた手仕事の思想』:草思社(まえがきより抜粋)
《…さまざまな職業が日本の国では二十世紀に消えていった。…どの仕事もその地の気候や風土に培われたものであった。…
手仕事が主流だった時代は小さな社会であった。作り手は使い手が誰であるかを知っていたし、使い手は自分の気に入った作り手を選ぶことが出来た。そうした小さな社会で生き抜くためには、作り手は常に最高の品を作り出すことを心がけなければならなかった。…そうした環境や人間関係は経済の高度成長を機に消えていった。大量生産、大量消費の時代が始まったのだ。それは大きな社会である。
物の向こうにあるのは工場であり、作り手の顔は見えない。大きなグループとしての消費者を相手にしてこそ大量生産が出来るのだ。この規模はますます拡大し、地球規模になった。
知らぬ間に終わってしまった手仕事の時代とその背景にあったものを確認しておきたいと思った。今ならまだ振り返ることができる。まだ手仕事の時代はすぐ後ろにあるのだ。……
二〇〇一年八月 塩野米松 》
新しく生まれ来るものあれば、消え行くものがあることは
世代が交代するのと同じく命あるものの定め。
また、手仕事がたとえ傍流となろうと
人が生きる限り絶えることはなく、その精神思想は脈々と継がれて行く。
everything's gonna be allright...
2015年現在、時代はまたさらに次のうねりに突入している。
と、思うのです。
誰が作った
誰に作った
大量生産品があってこそ“誰”により価値が付く、
逆転の時代に。
by kei-grande
| 2015-11-17 22:48
| Atabaque アタバキ