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再び富士

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 富士はいつ見ても雄大だ。

 昨年の秋以来の再会です、今回は静岡側からの眺め。
 三月に予定している『森のたね』とのコラボ企画の打ち合わせと現場の空気を肌で感じることを目的に、『森のたね』の企画する“狩猟体験会”に飛び入り参加させて貰いました。

 しかし静岡は広い!
 事前の準備不足がたたって、新東名で行けば片道200kmのところを東名で余計に50km走ってしまってなおさら。
 思っていた以上に時間がかかり開始時刻に間に合わず・・・・昼食からの合流でした。
 面目ない。
 
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 お昼ご飯は森のたねの仲間で、半農半猟ときどきガス屋さんの道男さん宅“カフェあけみ(仮)”にて、鹿肉のキーマカレー、レッドムーン(じゃがいもの一種)サラダ、猪のベーコンサラダ、鹿肉ミンチのボロネーゼ。
 どれも美味しかった!
 もう食べれない、というくらい腹一杯遠慮なくいただきました。なかでもベーコンは絶品。
 ごちそうさまでした!

 道男さん宅のロケーションがまたサイコーで、
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 立派な山羊にテンションが上がる上がる!
 あこがれてしまう暮らしです。
 

 さてお腹も満ちて一段落したところで移動、『森のたね』ガレージへ。
 そこで待っていたのは、もちろん鹿

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 そう、これがやりたかったんです!解体。
 いつもは乾皮にした状態から太鼓に利用させてもらっている皮、それを剥ぐところから、もっと言えば獲るところから体験してみたいと常々思っていた願いが一つ実現。有り難いご縁です。感謝。

 中学生のときから“サバイバル”な状況に憧れて皮の剥ぎ方も知識としては知っていました。
 実際はというと、
 
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 思っていたより簡単、魚の皮より剥ぎ易い、というのが正直な感想。もちろん下拵えが済んでいたからこそなんですがね。
 当日の“狩猟体験会”は大人子供合わせて9人ほど、皆興味を持って参加しているだけに意欲は十分。最初は尻込みしていた子供たちも作業が進むにつれてナイフを手に参加。
 
 そして俺はというと、皮が傷つかないかと気が気でしょうがない。
 他の参加の方々を差し置いて、図々しく誰よりもナイフを握って離しませんでした。
 ゴメンナサイ。

 そうこうして無事に皮は綺麗に剥げまして、これもやがて太鼓になることでしょう。
 
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 さて次は肉を切り分けていきます。
 
 治療家になると決めた10代後半より特に運動器としての筋骨格系に特化して解剖学を独学で学びはじめ、その範囲はヒトに留まらず、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、など背骨を持つもの全般も一通り目を通して来たものです。
 基本的にヒトもその他の動物も構造の元型を同じくし、形態の違いはバリエーションの違いに過ぎない・・・と、しかし知識と実際は感動の重み深みが違う!
 中でも最も感動!というか、なるほどという発見は、長肋筋・最長筋・棘筋、そして横突棘筋からなる人で云うところの脊柱起立筋群の整然とした美しさ!とりわけその最下端、仙腸部の骨との付着部を切り開いた時には目の覚める思い。
 いかに知識として「脊柱起立筋は、仙骨の背面・下部腰椎棘突起・腸骨稜に起始する。」という字面だけでしか知らなかったかと思い知る。
 その他、あまり普段(治療に際して)意識することのない皮筋や、それぞれの筋を覆う筋膜の実際、生々しい肩甲骨の柔らかさ、など様々な発見、目からウロコが多々有りました。
 いや~百聞は一見に如かず!
 
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 にしても鹿も魚も、捌くことにそんなに違いはないとはやはり思った。
 殺すところからやったならまた違うかもだけどね。

 “猟”というと、「動物を殺すことが楽しいの?」という反応を示す人もいる。
 その答えは、格好をつけて云えば
「大型の捕食動物がいない日本に置いては、人が猟をすることは生態系の維持という側面から見て必要かつ不可欠な行為であり、それを食べ、骨や皮、なんやかんやを余すところ無く利用することは自然の恵みに感謝して生きることに他ならない。」
と言えるだろうけど、もっと単純に云えば
「Yes」
だろう、血が騒ぐのだ、DNAに刻み込まれた人の本性的な部分だろう。


 動物・植物を問わず、命の循環こそが生命の本質。
 命の重さとはいったいなんだ?



 にしても、この日はたくさんのお土産を持ち帰ることが出来てホクホクです。

 「お~い、帰ったぞー!」
 はいお土産、とポリ袋いっぱいの肉、肉、肉!
 しばらく肉は買わなくていい。
 これこそが幸せだ!
 

 天の恵み、地の恵み、そして人の恵みに感謝します。
 有り難う御座います。

 

by kei-grande | 2014-01-14 21:31 | Projeto 企画