~野生動物がつなぐ人と人~

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 「けものフォーラム」in狩猟サミットへ太鼓を担いで行って参りました。

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 先々から進めて来た国産鹿皮プロジェクト、
「国産」
「農と猟と・・・私」
「バランス」
「シカパン」
の最初の集大成として、試験的に作り進めて来た鹿皮パンデイロ、鹿皮アタバキ、鹿皮農民太鼓を携え、一つには鹿皮を託して下さった「森のたね」の井戸さんとの初対面、そして一つにはまだ見ぬ新たな世界の扉を開けに。


 開催時刻に少し遅れて会場となる“郡上八幡自然園”にたどり着くと、なんとも和やかな雰囲気。
 「ゆる~い感じですので、気楽に来て下さい。」とは伺っていましたが、、、ホーダに向かう緊張感とはま逆の、体中の細胞壁がクタクタと音をたててほぐれてゆくかのような感覚を味わいました。


 さて井戸さんはと見渡すと、人垣の群れのなかの一人とパチリと目が合う。
 歩みより自己紹介。
 初対面にも関わらず、旧知の間柄のごとく波長はピタリと合致。
 とてもいい出会いが果たせました。繋いで頂いた方々に感謝します。


 もともとの話の流れは、狩猟によって得られる皮の需要開拓の一環としての商品開発を共にしてもらえないか、というものでした。
 一日を通して折々に供給側と需要側双方の意見を出し合い話し合った結果、今後の展望としては、

・生の乾燥(おかしな言い回しだが他に言い様がない)鹿皮そのものが商品になる。
・サイズや厚みや状態などは個々によって全て違いがあるので、それを理解した上で使ってくれるユーザーに人と人のつながりの範囲で販売する。
・製皮の過程を必要最小限に抑えることで販売価格もかなり抑えることが出来るであろう。
・本格始動は今シーズンの猟期後


といった感じに話はまとまりました。


 鹿皮を使ってみた実際の感想は、
・薄手の山羊皮と極めて近い感覚で使える為、パンデイロやジャンベに適する。
・毛を剃った後の表皮の手触りは牛皮に似た滑らかな感触。

 何より国産というところにストーリーを感じる、富士山麓の自然の恵みの結晶であり、獲った人がまさに目の前にいる。
 
 井戸さん自身が張った鹿皮ジャンベも叩いてみました。高低の音共に十分なパワーと伸びが有り、山羊と比べ全く遜色有りません。
 次の張替え時には鹿皮を是非お試しあれ。

 パンデイロは今後順次製作していきますので、お楽しみに。
 なお初回生産の2枚は、井戸さんのもとで様々なイベントに野生動物との共生の広報大使として活躍して行くことになりました。

 アタバキも一台試しに張ってみました。
 やはり山羊皮のアタバキとほとんど同じ感じです。
 おいおいこちらも作って行きたいと思います。
 
 他にも変わり所ではアナグマやセンザンコウ?なども良く獲れるそうです。
 もちろん、猪も。猪より毛の柔らかい猪豚も。
 変わった皮で張ってみたい方はお問い合わせ下さい。


 さて、けものフォーラム。
 さぞかしむさくるしい山男達がわんさか溢れている、かと思いきや・・・一番むさくるしいのは俺?というくらいお洒落な山ガールに山ボーイが沢山。
 それでもさすがに獣好きの集う獣好きの為の獣好きによる、けものフォーラム。
 そこかしこで、自慢のナメシ革を見せ互いのナメシ技術の意見交換をかわす姿や、獲物にトドメを刺す際に心臓を的確に捉える為の簡便な目安についての話に真剣な表情でメモをとる姿など、ならではの景色が見受けられました。
 身に付けているものも、自分で獲った獣のナメシ革で作ったジャケットや、自分でナメシて作った靴など一味違います。
 
 グランジ工房の野生味溢れる太鼓達も大人気。
 ここでは剃り残しの毛や獣臭こそが皆を惹きつけるチャームポイントとなりました。
 ところ変われば人もそれぞれ。

 今回の私にとってのもう一つの目玉が、鹿皮太鼓のお披露目、山羊皮や牛皮の太鼓との叩き比べ、それら全てを使ったセッションでした。
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(↑写真右の鹿の隣、鹿皮ジャンベを持っている方が井戸さん)

 ジャンベ2台(鹿1山羊1)、アタバキ4台(鹿1山羊2牛1)、パンデイロ5枚(鹿2山羊3)、鹿皮農民太鼓1台他アゴゴ2本の混成即興セッション、ぶっつけ本番で全くの打ち合わせ無しに皆が一つのグルーヴに溶け合う素晴らしい時間を共有することがで出来ました。いやー良かった!(これが直前まで一番の気がかりだった。)

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 このセッションじつは鶏の魂を天に送る鎮魂、レクイエムとして執り行われました。
 そう、このフォーラムの目玉イベントは何を隠そう“鶏の解体”でもあったのです。

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 「命をいただくとはどういうことなのか」

 店頭に肉として並ぶまでにはどんなことが行われているのかを肌で実感する、という趣旨での企画です。
  
 解体を担当したのは、京都で養鶏を営み猟もする藤原誉さん。寡黙で厳しい面立ちながら内に深い優しさを秘めた感じのする方でした。
 ちかごろでは学校などにも呼ばれて解体を見せるそうです。
 「意外にもヴァーチャルが溢れる現代にこそ、子供たちはリアルを求めている。」とのこと。

 そして、いよいよ〆る前、
「今からすることは絶対に皆がしなければならない、目をそらしてはならないことと私は考えていません。
 人にはそれぞれ役割があり、生き物の命に直接手を下すということは、全てのひとがやらなければいけないことではないと私は思います。
 生まれながらに、それを食べることは出来ても殺すことは出来ないという人はいて、たまたま私はそれが出来る人だった、それだけです。
 見たくない人は目をふさいでください。席をはずして構いません。それでもここでこれから行っていくことを十分に感じ、何かを受け取って貰えることと思います。」

 私自身日々皮を扱いながら、はたして殺すところから俺は出来るのか?と問うことがあります。
 殺すところから向き合えぬ者に命をいただく資格は無いのでは?というような思いに捉われることも。
 けれども、誉さんの言葉は私の中の何か、堅さを解きほぐしてくれたようなそんな気がしました。
 「人にはそれぞれ役割がある。」
 言葉にすればなんて事ないけれど、カラダの奥底までズシリと落ちる重みを持って発せられた言葉でした。

 その後は、刺身で、サッと炙った叩き風、じっくりと焼いて、といろいろな食べ方で美味しくいただきました。
 肝の刺身が最高に旨かった!

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 死はあまりにあっけなく、あまりに普通だった。



 子供たちがもっとも喰いついたのは「うんちストラップづくり」。
 そこはゆるーいイベント、開始時刻になっても始まりません。

 担当したのはナバさん、確かな芯に裏づけられたゆるさのような独特の空気を醸し出した方。
 「うんちストラップまだ始まりませんか?作りたいんですけど。」と甥の陽太。
 「えっ?作りたいの?誰も作りたい人いないかと思ってた、ゴメンゴメン。」とボケるナバさん。

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 野生動物の本物のウンチをよーく観察しながらそっくりに作っていきます。
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 本物と見間違えるかのような立派なうんちが完成!
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 とても楽しくて、多くを感じ考えさせられ、なにより素敵な出会いが盛りだくさんな一日でした。
 あっこちゃん、お姉さん、ありがとう。
 (お父さん、お母さんもありがとう。)
 思いがけぬ一家総出の大イベントになってしまった!




 さあ、井戸さん!今期の猟果を楽しみに待っていますよ!


 改めて、鹿皮に興味ある方はご気軽にお問い合わせ下さいませ。 このイベントのサブタイトル~野生動物がつなぐ人と人~、次はどんな縁を結んでくれるのか?




 賽は振られた!
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by kei-grande | 2013-10-31 21:44 | Outros その他 | Comments(0)