「アート」って…なに?

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先日
「アート」な香り高い場所へ

https://www.facebook.com/story.php?story_fbid=1689585791344165&id=100008782806069

人前で対談をするという初めての機会を頂きました

「職人」という言葉も
太鼓作りに置いてはまだいまいち自分のなかでしっくりとは来ていない感じなんですが

果たして自分は職人といえるほどの突出した技をもっているのか?
という疑問
同時に
じゃ、まだ見習い程度か?
というと
それもまた違う
この拙さを持って自分の価値を問おうという肚は座ってる


じゃ、「作家」?
「職人」とは何が違うの?

または「アーティスト」?

「アート」ってなに?

アートという言葉が「藝術」と翻訳されたのは確か明治に入ってからのこと
わりと新しい言葉

じゃぁ、まず「藝」ってなに?

芸能・武芸・芸事…

どうも、この「芸・藝」という字は
喰ってくためには一見有っても無くてもどちらでも良いこと
直接的生産に関与しない
ハレ・とケで云えばハレ事に関わる技
音楽、舞踊、など祝祭を彩る技術
そんなニュアンス

「術」とは
広く暮らしのスベ
それぞれの暮らしの営み全般に置ける身体運動をより楽に
より構造の理にかなった身使いへと
工夫に工夫を重ねた歳月の分だけ深みを増し続ける
言ってみれば
筋力など加齢と共に必ず衰えるモノから来る力に頼らない
“力の性質の転換の技”(これを中国では功夫という)の道筋こと
と仮定する

それは生まれ持った才能じゃない
若き天才はいても
名人、達人と言われる人は必ず老人であるという事実

技の上限を限定しないで工夫をし続けることでどこまでも進化・深化し続ける道筋
それがたぶん「術」という言葉に含まれた意味

ということは「藝・芸」も「術」も同じことと言っていい
「術」の方が概念としてはより広く、その中に「藝」の概念が包摂されてる

ということは
「術」はハレもケも含み
「藝」はハレ事オンリー

「藝術」という言葉は

藝+術=藝(ハレ)+術(ハレ・ケ)=2ハレ+ケ

で、ハレの要素が強く印象づけられている
そんな勝手な推測…

だから

日々喰うのにカツカツの俺たちには藝術ってよく分からんし
なんか難しいんでしょ
お高いの?

みたいな
雲の上の話みたいな印象なのかも

昔なんかの雑誌で読んだ
スペイン語では日本語的な感覚でのゲージュツ家といわゆる職人どちらもアルチザン(アーティスト)と呼ぶって

ポルトガル語でもやっぱり
Artesão

日本語にすると響きが違うけど
要は同じってことですね

さらにアートの始原を
語源を音からたどれば
それは古代インドの思想哲学にある
“アートマン”に辿り着くんじゃないかと

まったく根拠はないけどね

ブラフマン・梵
アートマン・我


ブラフマンは宇宙の原理原則
アートマンは自己存在の中心

梵と我
部分と全体は等価である
とする考え方を
『梵我一如』
という

陰陽太極とよく似てる
っていうか
同じコトを違う切り取り方で捉えてるだけ
文化的違いだね




どうしようもなくそれがしたい
という身の内からの衝動
自己存在の中心からの欲求

それがハレであれケであれ
日常茶判事であれ祝祭事であれ

アートマンの働きと共に在ること
それがアートだ!


どうしようもなく太鼓が作りたい
どうしようもなく身体を整えたい
どうしようもなく土に触りたい
どうしようもなく裸足になりたい

これはアートマンの働きだ

どうしようもなく富士山麓の現状をなんとかしたい
どうしようもなくケモノを捕らえたい
どうしようもなくホネが好き
どうしようもなく解体が好き
どうしようもなくダニが好き
どうしようもなく“神の一杯”の珈琲が淹れたい

全部アートだ

どうしようもなく絵が描きたいことや
どうしようもなく音楽が創りたいことや
と同じアートだ

やりたいことをやる
それがアートマンひいては等価であるところのブラフマン
世界の根本原理に従うこと…

そういう話?






…先日のお話会のなか、鹿をテーマに扱った豆さんの作品に込めたメッセージに対し

「アートの本筋から離れてる!それはアートのすべきことではないのでは?」

みたいな
参加して下さったある方からの発言を受けて…

俺なりにモヤモヤしてた「アート」と「職人」について
考えてみたこと。

ちなみに今、太鼓関しては
年季奉公が明けて独り立ちして数年くらいの
“脱新米中の職人”
みたいな感覚がしっくり来る






『ボディワーカーもミュージシャンと同じアーティストだと思ってるよ
技術を持つ人はみんなアーティストだって』
:Deva


『アートじゃ喰えん って意味わからんし』
:白砂勝敏



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by kei-grande | 2017-06-05 19:49 | Outros その他 | Comments(0)